𖤐 ̖́-
一夜明けて今日。
神崎くんのクラスの後ろの扉からそーっと覗く。
神崎くんの席は……いた。
窓側の一番後ろ、自分の席に座っている。
遂行したい任務はただ一つ。
昨日見たものはどうか忘れてほしい。
そう伝えること。
「叶葉、さっさと伝えてきなよ」
「うるさい!向こうに聞こえるでしょ結花!」
「はあ??聞こえないと呼べないでしょ!?」
神崎くんに伝えたい。
でも他学年の教室に乗り込む勇気のないキチンの八尋叶葉はここにいる時山結花(ときやま ゆか)を連れてきた。
扉に隠れて慎重な私と真逆で
堂々と仁王立ちしている結花。
このおバカ!!
三年ってだけで目立つのに何してるのよ!
分かる。
いつかは教室中の注目を浴びて神崎くんの名前を呼ばないといけない事実はわかっているけど心の準備を……!



