「いちいちかわいーの、叶葉は。だから意地悪したくなる。ごめんね?」



ごめん、なんて思ってないくせに。
得意げに笑わないでよ、ごめんの説得力がまるでない。

可愛いから意地悪するなんて、ずるい。これ以上なにも言えないじゃん。

私から冬也に文句ひとつも言えない、そんなずるい言葉。




「明後日からの条件考えておいてね。可愛いお姫様のお願いは聞いてあげるよ」




金色の髪を風に揺らして
柔らかく笑う私の王子様は

とっても意地悪なオオカミだ。