思いもよらない疑惑に心臓が嫌にキュッとする。
「するわけないよ!こんなにかっこいい世界一の彼氏がいるのに!」
飛びつくみたいに冬也に詰め寄って必死に訴える。
そんな言葉を聞いた冬也はニッコニコの笑顔を浮かべたら私を思いっきり抱きしめた。
「やっぱり叶葉はかわいい、てか単純」
「……ワルグチだ」
「誉め言葉だよ」
ひとしきり抱きしめられたらゆっくりと解かれて
冬也の顔が見えてきた。
そこで、思い出す喧嘩のこと。
別に私は喧嘩をしたいわけじゃない。
でもどうしても譲れない。
何か言いたいけど上手く言葉が出てこない。
「……少しの間会えない、かも」
そうポツリとこぼしたら、一歩下がる。
もう一歩。
「いやだ」
そのまま冬也に捕まった。
手首を握られたと思ったら、勢いよく壁に片手をついて壁と冬也に挟まれる。
息をごくんと呑みたくなる程の威圧感を放つ冬也にただ驚きでパチリと瞬きを繰り返した。



