冬也は校門の柱に背中を預けるように立っていて、私と目が合うと満面の笑みを浮かべている。
あと一週間は会わない予定だった人が今目の前にいて、予想外すぎてどうしたってドキドキしてしまう。
「よかった。意外と元気」
なんで、なんってことない感じなの?
あれ?もしかして昨日のあれは夢?
相変わらずの金髪を雑に後ろに流したら
腰に手を置いて
片手でこちらに手を振っている。
ここまで来たら本人なのかも怪しい。
「……あなたは誰?」
「嘘でしょ。嫌われすぎて忘れられた!?」
「あちゃ~」とか言って天を仰いでいる隙に逃げ出す私。
でもそんなに許さないのが冬也。
くるりと方向転換した瞬間に手首を握られる。
「一旦落ち着いて、叶葉」
「わ、私は落ち着いてるよ。ただビックリしてるだけ!」
そう、ドキドキしてるんじゃなくて
驚いてるんだ。
そうだ。



