そんな結花は私の手を勢いよく引っ張ると立ち上がらせる。
お互いのスマホと財布を鷲掴みすると
何かから逃げるみたいに
部屋を後にした。
「ゆ、結花……あれなに?」
「さぁー?
突然独占欲でも出てきたんじゃない?」
テキトウなすぎる回答。
なんだったのかは気になるが、結花が部屋から出してくれて良かった。
あのままだったら危なかった。
「とりあえずご飯食べよう」
「……うん」
せっかく部屋を出てしまった以上戻る訳にも行かないので、私たちは昼ごはんを食べるためにカフェを目指す。
────このとき
私は完全に見落としていたのだった。
「私が話を聞いていなかったせいで怒らせたのかな?」
「うーん、そんな感じではなかったけどね」
私たちが部屋から出るように、
お昼ご飯を進めた人が
神崎くんである可能性を────。



