知っている
結花が悲しんでいる時の顔だ。
結花の性格上悩んでいることや迷っていることは私たちに話してくれない。
一番欲しいものほど口には出さず、そのせいで一番欲しいものを失ってしまう人。
「私は全然気にしてないよ」
そう、結花が思っている以上に私は平気だ。
「それにあれはベストタイミングでしょ」
「……!」
数日前のことを思い出しながら
ふむ、と少し俯きがちに片手を顎に当てて
そう零した私に対して、
視界の端ではピクリと肩を揺らした結花の姿がちらりと見える。
そんなに驚くようなことじゃない。
これは別に結花を励すためでは無く
私がずっと考えていたことだった。



