私が冬也にしたお願い、それは。
『神崎くんの前でお兄ちゃんのフリをして欲しいです!』
『……は?』
この状況をいちばん穏便に済ませて神崎くんに冬也のことがバレない方法なんて、
冬也にお兄ちゃんの役をしてもらう
それ以外に思いつかなかった。
神崎くんを騙すことは心が痛むけど、今回ばかりは許してください……。
わなわなと震えた手で電話を握って、画面の向こうの冬也に必死にお願いした結果。
冬也は私のお願いを飲んでくれた。『絶対に神崎くんを好きにならない』なんてお約束付きで。
こうして私たちの勉強会が、
そして私と冬也の擬似兄妹体験が
始まるのだった……。



