小さな恋の物語【短編集】

***


「ただいまー」
 一日の仕事を終え、癒しの我が家に到着だ。
「おかえりなさい雄太君。私も今帰ったとこなんだけど、今日の晩ごはん、どうする?」
 先に帰っていた実咲が、玄関まで出迎えてくれる。
「それじゃあ今日は僕がなんか適当に作ろうか?」
「ありがとう、うれしい♡」
 語尾にハートマークがついているのが見えるようで、それだけで満足だ。
「ねえ、今日も私、お仕事頑張ってたでしょ? 褒めてくれないの?」
「うん、よく頑張ってたね」
 催促してくる彼女の頭を「えらい、えらい」と撫でてやると、実咲がぎゅっと抱きついてくる。
「えへへっ、ありがとう、雄太君♡ これで明日も頑張れる」
 三つ年下の小森実咲と付き合い始めたのは大学四年生の頃のこと。
 実咲が社会人になったのと同時に同棲を始め、約半年。
 自宅にいるときだけは、コッソリではなく堂々と彼女のことを愛している。