小さな恋の物語【短編集】

 ……え。


 行ってもいい……のかな。本当に、いいのかな。

 わたしなんかが、瀬戸君の応援に行っても。


 いやいや、瀬戸君はきっとわたしがただのバレー好きだって思ったんだよね?

 うん。そうだよ、きっと。


 わたしの気持ちがバレたわけじゃない。

 だからこそ、教えてくれたんだよ。


 だったらさ、行ってもいいんじゃない?

 ただのバレー好きを装って。


 うん。そうしよう。

 それで、コッソリ瀬戸君の応援をすればいいんだ。


「こら、佐々木。ニヤニヤしてないで、真面目にやりなさい」

「はーい、ごめんなさーい」


 とうとう先生に怒られちゃったけど、そのくらいじゃ今のわたしは全然凹まないんだから。


 思わずニヤけそうになる口元を必死に引き結んで、わたしは残りの課題に一生懸命取り組んだ。