目が覚めた。
周りは真っ白で、目がちかちかする。

「ここ、どこ…」

その声を聞き取った人が、私に話しかける。

「藤崎さん、目が覚めたんですね!少しお待ちください。今、先生をお呼びします」

先生?あ、ここ、病院かぁ。

どうりで殺風景なわけだ。



医者が来て、いろいろ説明された。

・家族で道を歩いていたところ、車が突っ込んできてたまたま私は両親がかばってくれたおかげで

・命拾いしたけれどそのほかの家族は死んでしまったこと

・命拾いはしても無傷ではなく、記憶に障害が出ている可能性がある

とのことだった

「藤崎さん、今日が何年の何月何日か、わかりますか?」

私の知る限りで答えた。

でも、外れだったみたいだ。

約、1年ずれていた。

それから検査をすると、1年分の記憶がごっそり抜けているみたい。



そして、念のため数日入院するみたい。

もう少ししたら、学校の先生が来るみたいで、一緒に友達も来てくれるらしい。

「ありがとうございます」

医者は微笑んでから1礼すると、部屋を出て行った。