夜空を見上げていた。
隣にいる人は…誰?
でも、不思議と違和感はなくて、
むしろ安心する。

「翠咲」
自分の名前は嫌いだった。
でも、この声にだけは、呼ばれると嬉しかった。

貴方の名前を呼んで、返したい。
私の大好きな人
心から愛した人。
「っ」
言葉に詰まる。

なぜ?
大切な人を呼べないの?


なぜ…
貴方は、そんなに切なそうな顔をして私から離れるの?

ダメ、ここで止まっちゃ
追いかけなくちゃ

あなたを見失った空は、むかつくくらい、碧(あお)かった

青じゃないの。碧なの
そう強調させてよ