隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

 ショートカットに黒縁メガネの少女は、確かに鵲さんの面影はあるが服装も表情も全く違っている。写真の鵲さんは、メンズサイズのネルシャツにダボっとした太めの黒いジーンズとボーイッシュなスタイルで、今とは全くイメージが違う。

「2年の始まりぐらいから、今みたいな服装で大学に来るようになって、僕のアバターに似てるなって思ってはいたんですけど」

「似てるどころかそっくりだよ」

 思わずツッコミを入れてしまったけれど、

「つまり、鵲さんは五百城のゲームのアバターをどこかで知って、キャラメイクを真似たってこと?」

「そうなるんですかね。あ、でも、僕は鵲さんになんの感情も持ってないんで、その辺はお気遣いなく」

 五百城は頬杖をついてスマホの中にいる鵲の姿を見つめている。その横顔からではなんの感情も捉えられない。
 自分の使うアバターそっくりに変身した鵲さんの気持ちぐらい、とっくに気づいていたはず。それなのに一ミリも感情ないなんて……。
 あんなに可愛い(見た目)の鵲さんにときめかないなんてそんなのあるだろうか……?


「あーー。そろそろログインしないとだね」

 なんて時間を気にするフリをして食器を片付ける。本当は知りたい。心の中を覗き見たい。
 けれど、他人のプライベートには踏み込まない。適度な距離感。
 


***


「ああ、五百城にばれたら同居解消されるなあ……」
 

 余計なお世話だとわかっていつつ、有給まで取ってやってきたのは赤門の前だった。