隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

と、再び五百城の脇腹に肘をヒットさせる。

「そもそも鵲さんが怒ってた理由もゼミの連絡を既読無視してただけなんで、個人的な交友関係は皆無です」

「ムギくんが思わせぶりな態度したとか、勘違いさせるふしあったんじゃない? 彼女だと勘違いするような態度って……やつ!」

と、渾身の力で肘を入れようとしたところで、すくっと五百城が立ち上がった。すかしてしまい、おっとっとっとつんのめってしまう。

「どうして……信じてくれないんですか?
僕の言葉は全部無視ですか? 全部正直に話してるのに!」

 怒ったように早口で捲し立てる五百城の迫力に気圧されてしまう。

「だから……嫌なんです。いっつもこういう感じになる。
こういうの嫌だから、恋愛とかしたくないんです!」

 五百城はイラついた様子でリュックを乱暴に掴む。バンッと激しく玄関の扉が閉まり、再び静寂が戻った。

 その日のイベントが終了しても、ムギちゃんはゲームにログインしなかった。当然、討伐戦は二人揃ってランク外で終わった。
 私は五百城を怒らせてしまったらしい。

 言ってはいけないことを、踏み越えてはいけないところを越えてしまった。
 ゲームの同居人として――いや、1人の人間として、やってはいけない過ちを犯したのだ。