隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

「充電切れそうなんで」と、スマホをこちらへと見せた。

 一体どんな使い方をしたのか知らないが、すでにバッテリーの表示は赤くなっている。

「充電ケーブル貸してあげる!」

「いや、今日のイベ本気なんで、ケーブル鬱陶しいんで」

 わかる。わかるよ。 
 一瞬の操作ミスが命取りになるっていうのに、バッテリーを気にしたり、ケーブルを捌いたりするの面倒だって、すごくわかる。
 でも、……でもなの。 

「あの、さ。色々とさ、開けちゃいけないものがあって」

 少しは察しろとばかりに、やんわり断りを入れてみる。 

「あっ……なるほど」

 五百城は何かを悟ったかのような神妙な面持ちをする。その顔は軽蔑とか侮蔑とかじゃなく、知りたくなかった一面を見てしまった時の顔。
 案の定、五百城の目の中にいつもいるキラキラハイライトたちが消え去っている。
 
「ちがう! それじゃない!」

「ベツにイイデスケド、セーヨクはイヌもネコもモッテいるヨッキュウでスので、烈火さんガ日中からサカってイテモ、オカシク、アリマセン」

 五百城はBOT化した初期のボーカロイドみたいな辿々しい喋り方をする。

 モニターがつくなりマウスを動かし出した。その手を止めようと、手を重ねる。
 すると、くるっと五百城がこちらへと振り返った。

「……もしかして、結構マニアックなサイトなんですか?」

 今度は瞳を輝かせだした。