隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

 「帰れ、帰れって、うるさいです。
 そっか。2人が恋人同士じゃないってバレたくないから、さっさと帰らせたいんですね」

 「そ、それはあ」

 言葉が見つからずに黙り込む。
 このままではポイズンを受けた時のようにHPがジリジリと減っていき、終いにはキルされてしまう。

 「別にいいけど。いくらでもいて構わないし。
 というか、私とムギくんのラブラブっぷりを見せつけられて帰りたーい。
 って、泣きべそかいても知らないから」

 「泣きべそ? なんですかそのワード。ねーー。
 ムギくーん。ムギくんのココアはぬるめに作っておくね。
 ムギくん、猫舌だもんねー」


 鵲は湯気を上げるマグカップを乗せたトレイを手に、勝ち誇ったような表情をこちらへと向けた。目を細めたドヤ顔は、明らかにあなたよりずっと彼のことを知っていますよ、って誇らしげな表情である。

 「猫舌ぐらい、知ってます」

 なんだか負けたくなくて、つい余計なことをくちばしる。
 
 「ムギくん。お腹すいたでしょ? 何か作ろっか?」

 鵲は、いきなり冷蔵庫を開けた。

 「待って、ここ私の家なんだけども」