隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

「あえて、最も勝率の高い悪役令嬢風味を足してみたというのに、無駄だったのね」
 
 自分の頑張った結果に心の底から落ち込んでいると、
 
「まあ、こうなったからには、彼女設定で行きますか」
 
 彼は仕方がないとアピールするように肩を落としてため息を吐いた。

 どうにも私が失敗したみたいな空気を出す五百城にむかついたので、全部暴露してやろうか! と思った途端、肩を引き寄せられた。そのまま五百城にバックハグされる。

「え、ちょっ!」

 驚く私の耳たぶへと軽くキスをした。

「そういうことなんで。(かささぎ)さん。バイバイ」

 五百城は、鵲と呼ばれた少女へと手を振ると、踵を返した。

 五百城を背中におんぶしたような状況で通りを歩き出した。中庭を出たが、美少女が追ってくるような気配はない。どうやら、うまく(?)いったらしい。

 でも……これで良かったのだろうか? 

 五百城に肩を抱かれながら、きっと広場の真ん中で涙を溜めて震えている少女のことを思った。彼女の気持ちは終わったのだろうか。
 
 そして五百城はあのムギちゃんそっくりの彼女との関係は、こんなあっさりと終わりにするようなそんな簡単なものなのだろうか。
 今もまだ思い続けているけれど、素直になれない……とか。
 なんだか、思い合う若者たちの恋路を邪魔した気分だ。
 

「今日の夜って、イベントありましたよね?」