隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

 さらにもう一撃……と、バッグが振り下ろされた。そのタイミングでバッグを引っ掴むと、美少女が体勢を整えられずによろけた。私へとヒットを稼ぐはずだった美少女は、まさかの失敗に怯んでいる。その隙を狙って、今度はこっちがクリティカルを狙う番だ。

 「……さっきから、バシバシ叩いてくれちゃって。
 あなたこそ、麦くんのなんなの?」

 威圧的に美少女を睨みつける。
 すると黒めがちな瞳が動揺したように激しく揺れた。
 「元カノ?」

 じれったくなり、彼女が発しないセリフの続きを告げた。すると美少女は瞳を大きく見開いてこちらを向く。一瞬で真っ赤に染まってしまう顔。今にも泣き出しそうな潤んだ瞳。なんだか、そのキーワードを口にすることすら恥ずかしかったようだ。
  
 泣き出しそうなアバタームギちゃんそっくりの可愛い反応に、キュンと胸が撃ち抜かれる。

 “ああ。ムギちゃん。泣き顔もかわゆす……。

 じゃなくて!
 ここはスマホのガラス代分ぐらいの働きをしなくては!”

 五百城の腕にギュッと絡みついて、彼女風味を足してみた。

 「でもごめんなさいね。今は彼、私の彼氏だから」

 すると美少女は唇をキュッと噛み締めて、肩を小刻みに震わせ始める。そんな彼女に同情しつつも、こちらはバイト代分の働きをしようと、高笑いを披露してみた。