隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

 五百城から無理難題を向けられ、逆に困り顔を披露する。彼も負けじと、捨てられた子犬のような顔で見つめ返す。そんな庇護欲が掻き立てられるような潤んだ瞳をされたとしても、心は揺らがない……ゆらが……。って危なっ!
 どうにか態勢を取り戻して、五百城を睨む。

 「こんな意味わかんないことしといて、助けてとか、都合よくない?」

 五百城にしか聞こえないように小声で文句を言う。
 「わかってます。でも、このまま大人しく帰れると思います?」
 「ふぁ! 嵌めたのね!」
 「さあ? なんのことでしょう?」

 と、彼は空を見上げて知らないふりをする。
 ……この青年、使ってはいけない方向に優秀な頭脳を使っている。

 「東大生って、みんな脳内ヴィランなわけ?」
 「巻き込まれ事故でも処理しないとじゃないですか? 
 烈火さん、大人ですもんね」

 天使のように満面の笑みを浮かべる五百城は、もはや魔王だ。
 見上げると、ガラスの窓の向こう側にある顔が増えていることに気づいた。恋人同士の喧嘩は、三角関係な修羅場の現場と化している。野次馬にとってこれほど楽しい展開はないだろう。
 ああ、君たちの大事な時間は、世界平和のために使ってください!
 「ううっ! あっち側(野次馬)にいたかった!」
 「スマホのガラス代払いますんで」
 泣きかけた私へと五百城の甘い囁きが聴こえてきた。バシンと背中に再び美少女の攻撃がされる。
 「ちょっと! いい加減、なんなの? 2人とも離れなさいってば!」