隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

　「修理終わったみたいですね。こっちも今講義終わったんで、どこに行けばいいですか？」

　五百城のスマホから聞こえるチャイムの音や、若者が話すガヤガヤした感じを聞く限りまだ大学内なのだろう。せっかくだし、キャンパス見学ついでに学食ランチというのもいい。（お財布的に）

　「来てくれるんですか。　助かります！」

　「で、どこの大学？」



　――なんて言ったものの、まさかの赤門の前にやってくるとは。

　「うーわ。まさか、ムギくん、日本一頭いい大学の学生だったなんて……」

　東京帝国大学2年、電子工学部のナンタラ工学のなんたらを研究しているというなんだか長ったらしい説明をされたが、理解が追いつかなかった。ただ、あの赤い門から出てくる彼らは将来の日本の未来を創るトップランカーの卵だということ。

　なんだか、眼鏡をかけた青年たちが、近未来からやって来たとても知的な生命体に見える……。

　そんな優秀な頭脳を持つ青年たちが歩く道を共に闊歩し、言われた通りに指定された校舎を探した。円盤上の建物に左隣。レトロな赤茶色のレンガ造りの建物が立ち並ぶなかで、一際目立つ近代的な建物が見えた。全面ガラス張りの要塞のようなビル。あれが五百城の学舎だというが……。

　建物へと近づくと、「サイッテー！」と高音の女の怒った声が耳に届いた。

　何が起きているのか、野次馬心でそちらへと向かう。すると、建物の中庭のような場所の中心に、五百城と顎下で切り添えられたサラサラボブヘアの女の子が向き合っていた。