隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

「……こうして欲しかったんじゃないんですか」

 なんて彼はさらに力を強めた。互いの鼓動が感じられるほどに密着してしまい、否が応でも心臓が爆音を鳴らす。

「あ、でも……。今日1限から講義入ってるんですよね……」

 ボソッと呟いた。

「残念だな。何もなかったらこのまま……しちゃえたのに」

 私の頬をそっと撫でる。

「一限、サボろうかな」

などと、耳元に囁かれた。驚いている間もなく彼の顔面が迫ってくる。
綺麗な顔がドアップになり、唇が触れそうな距離になるまで近づいた。
五百城の唇を、背後にあったクッションを引っ掴みブロックする。
私の行動に、不満げに眉を寄せて睨みつけた。

「ほ、ほらぁー。り、リアルで恋愛関係になったらゲームに支障が出ちゃうでしょ?」

「支障出るかどうか、試してみます?」

「わ、悪いけど、が、学生と恋愛するつもりないんで!!」

 五百城はサッと立ち上がる。
 クックックと意地悪い笑顔を浮かべている。
 全く調子が狂う。ちょうど五百城が拾ったスマホを殴ってしまった。瞬間、スマホが空を飛んだ。