隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

「いいって、いいって、そうだよねえ。可愛い衣装を着せたいよねえ。
わかるよ。うんうん」

 首を傾げる五百城に、達観して腕組みをした。
 まあ五百城も普通の大学生の男の子ってことなのだ。 
 理想の彼女をアバターにする。
 そういう素直な欲望、嫌いじゃないよ? うんうん。

「じゃあさあ。エイム力あげるために協力してよ。んで、その余ったお金でムギちゃんの衣装をガチャるってのでどう?」

 提案してみると俄然、五百城の視線が鋭くなる。

 「……構いませんが」と五百城は遠慮がちに呟いた。

 そんなわけで、ここ最近、家に帰るたびに五百城とゲーム三昧な日々を送っている。
 まずは、エイム力を養うために、向かう先はプレーヤーキルエリア。 
 プレイヤー同士が殺し合えるバトルエリアのため、365度、いつどこから狙われるかわからない緊張感に包まれる。ふっと緊張が解けた瞬間、アバターのH Pが半分に減った。

「っふぁっ!!」

 周囲に人影はない。けれどもどこからか確実に狙い撃ちしている。
 ということは遠距離からの攻撃ということだ。