そんな名誉と誇りをかけてしのぎを削るガチ勢のキングたちは、中央のバトルエリアで敵をバッタバッタと切り倒して、キル数(最終的なバトルポイントに加算される)を順調に増やしているようだ。
爆音がしたかと思った途端、運転していたジープからアバターが弾き出された。
床に転がる自分のアバターに目掛けて四方八方から銃撃の嵐にみまわれた。やってきたのはCエリアよりもずっと手前にある廃墟エリア。だがすでにそこは敵陣営の中だった。
完全に狙い撃ちされてしまっている。どんどんHPのゲージが減る。この状態ではキルされないように死角を探し回復するので精一杯だ。
こんな状況では、反撃をしようとするものの多勢にはどうにもならない。
「敵にキル数を稼がれる前に、自爆した方がいいかな?」
なんて、ゲームの裏ルールを使って自爆するタイミングを探していると、隣で
「左にある赤い屋根の家に入ってください。僕が行きます」
と、ボソボソッとした声が耳に届いた。
それはヘッドフォン越しではなく、リアルな気配。
五百城の温かな囁き声が今まさに私の耳に送られているのだ。
そうなのだ。今夜も何故か五百城が家にいる。
そしてさも当然のように、私の隣でゲームに熱中している。
――数時間前
仕事終わりのコンビニにて、いつもの如く課金用のカードと睨めっこしていたところ、
「課金するんですか?」と、いつのまにか背後に立っていた五百城と遭遇したのだった。
爆音がしたかと思った途端、運転していたジープからアバターが弾き出された。
床に転がる自分のアバターに目掛けて四方八方から銃撃の嵐にみまわれた。やってきたのはCエリアよりもずっと手前にある廃墟エリア。だがすでにそこは敵陣営の中だった。
完全に狙い撃ちされてしまっている。どんどんHPのゲージが減る。この状態ではキルされないように死角を探し回復するので精一杯だ。
こんな状況では、反撃をしようとするものの多勢にはどうにもならない。
「敵にキル数を稼がれる前に、自爆した方がいいかな?」
なんて、ゲームの裏ルールを使って自爆するタイミングを探していると、隣で
「左にある赤い屋根の家に入ってください。僕が行きます」
と、ボソボソッとした声が耳に届いた。
それはヘッドフォン越しではなく、リアルな気配。
五百城の温かな囁き声が今まさに私の耳に送られているのだ。
そうなのだ。今夜も何故か五百城が家にいる。
そしてさも当然のように、私の隣でゲームに熱中している。
――数時間前
仕事終わりのコンビニにて、いつもの如く課金用のカードと睨めっこしていたところ、
「課金するんですか?」と、いつのまにか背後に立っていた五百城と遭遇したのだった。
