熱々のコーヒーに息を吹きかけて、一口ずっと飲んだ。途端に口の中いっぱいに広がっていたはちみつとバターの風味を纏ったトーストに、コーヒーの苦味とコクが加わりなんともいえない幸せが訪れる。
「うーんん。やっぱり朝はコーヒーだよねえ」
熱いコーヒーにしみじみしていると、五百城がまたもやカップの中を覗き込んでいる。毎度毎度、彼のマグカップの中には何が見えていると言うのだろう?
「だから、毒とか入れてないってば」
その真剣な眼差しで湯気を上げるコーヒーを見つめる青年に向かってツッコミを入れる。すると、眉を下げて泣きそうな子犬みたいな表情を浮かべた。
「まだ、熱い……ですよね」
彼は今にも消えそうなほどに悲痛な声を出す。その様子を見て、もしやという考えがよぎった。
「もしかして、猫舌……」
するとさらに眉がへの字に下がる。そんな五百城の様子がおかしくて、ついつい頬が緩んでしまう。
「お子様だなあ」
「猫舌と年齢は関係ないかと思いますけど」と、唇を尖らせている。
そんな反応は、なんだか、ムギちゃんみたいに思える。リアルのムギちゃんは、男の子だけれど、男臭くない。パーソナリティの内側に入ってきているのに警戒心を薄れさせるこの感じは、あれだ。
「五百城くんってさ、女子会に紛れてそうな男子って言われない」
「いや、無いです。とゆうか、女子と関わらないんで」
「うーんん。やっぱり朝はコーヒーだよねえ」
熱いコーヒーにしみじみしていると、五百城がまたもやカップの中を覗き込んでいる。毎度毎度、彼のマグカップの中には何が見えていると言うのだろう?
「だから、毒とか入れてないってば」
その真剣な眼差しで湯気を上げるコーヒーを見つめる青年に向かってツッコミを入れる。すると、眉を下げて泣きそうな子犬みたいな表情を浮かべた。
「まだ、熱い……ですよね」
彼は今にも消えそうなほどに悲痛な声を出す。その様子を見て、もしやという考えがよぎった。
「もしかして、猫舌……」
するとさらに眉がへの字に下がる。そんな五百城の様子がおかしくて、ついつい頬が緩んでしまう。
「お子様だなあ」
「猫舌と年齢は関係ないかと思いますけど」と、唇を尖らせている。
そんな反応は、なんだか、ムギちゃんみたいに思える。リアルのムギちゃんは、男の子だけれど、男臭くない。パーソナリティの内側に入ってきているのに警戒心を薄れさせるこの感じは、あれだ。
「五百城くんってさ、女子会に紛れてそうな男子って言われない」
「いや、無いです。とゆうか、女子と関わらないんで」
