隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

耳までジンジンと熱くなっているのを感じながら、振り向きもせずに「おはよう」と返す。年下の五百城にときめくなんて、我ながら恥ずかしい。

「そういえば、昨日の烈火さんすごかったですね」

 と、思い出し笑いで顔をくしゃくしゃに歪ませながら五百城が言う。

 「はい?」

 ”すごかったって何が”

「あ、その顔は覚えてないって顔ですね。あーあ。すごく残念」

耳を下げた猫のようにしゅんとしている。一体私は何をしでかしたのかと、青ざめる。も、もしかして。と思い、もう一度姿見で自分の姿を確認した。

 鏡の中の私の爆発した頭を見て、髪を手櫛でどうにか整える。私の背後でベッドの上でニコニコと嬉しそうな笑顔を浮かべる五百城が映っていた。あの反応……。服、着てるけど、い……いたして……しまった?


「あ、あの残念ってどういう」

ベッドに向かって振り返るなり彼に腕を引っ張られた。

「キャ!!」

 驚いて悲鳴をあげる。掴まれた手首からスッと手が離れると指先を私の手に絡めた。

”恋人繋ぎ!!!!!”

 彼の行動に背をのけ反らせる。逃げ腰な私のことなどお構いなしに、彼は目を細めて笑う。

「そっか……、忘れちゃったんだったら、もう一回……します?」なんて起き抜けのハスキーボイスで誘ってきた。