隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

「僕、リアルがゲームに影響出すことしたくないんで。
ゲームに支障があるなら、……同居解消しましょう」
 
「それはやだ!」

 つい飛び出したセリフが静かな夜の共有廊下に響き渡った。私の必死のセリフに五百城が赤面する。
 
「声、……でか」

「も、申し訳ない。
その……同居解消はしたくないの。
矛盾してるってわかってるけど、ムギちゃんを嫌いになったわけじゃないから。ただ私の気持ちが追いついてないだけで」

「僕も烈火さんもゲーム優先ですよね。だったらゲームに影響ないよう、お互い気をつければいいわけですから。
 なら利害が一致してるわけだし、じゃあこのまま同居続けるでいいですね」

 なんだか五百城の赤面が移ってしまい「うん」というのが精一杯になってしまった。

「早速ですが、今日のクエスト終わらせません?」

「うん、そうだね。じゃあ、ログインを……」
 
と、いうが早いか、扉がスッと開いて五百城が玄関先で靴を脱ぎ出した。五百城の白いスニーカーが我が家の半畳ほどの狭い三和土に置かれる。

「……五百城くん? な、何してんのかなあ?」

「烈火さんの家でしようと思って……ゲーム」