隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

「性別ってゲームに関係ありますか。
 烈火さんだって、アバター男に変えたり、衣装チェンジのたびに、コロコロ性別変えてましたよね。
 それと、なにが違うんです?」

「そ、そうだよね。うん。私もアバター男に変えたりしてたね。でもそれはゲームの中でのお話で、リアルではコロコロ性別変えられないわけで。その……男女の関係ってさ、色々あるっていうか。
 リアルの恋愛がゲームに影響を与えるのとか、そういうやつがね」

「……もしかして、僕が烈火さんのこと好きになると思ってるんですか」

 五百城に指摘されて、はたと彼の顔へとパッと視線を重ねてしまった。

「好きになる?」

「烈火さんが心配してるのは、リアルがゲームに影響することですよね。 
 リアルで恋人同士になったら別れた後、ゲームで同居解消になったり、リアルが原因でゲームを続けることに支障が出たりするのが嫌なんですよね」

 五百城の指摘通りだった。
 ゲームの世界が何より大事な私には、リアルがゲームに侵食することが怖い。
 五百城がムギであることを知って、女の子じゃないことにショックだったけれど、それ以上に、異性として意識してしまったのだ。
 この同居人と今後ゲームの中で、今まで通りでいられるかどうか、秤にかけてしまった。
 私の気持ちが伝わったかのように、五百城はめんどくさそうなため息を再びついた。