隣の年下くんがダンジョンの同居人でした。


ずるい……。
 涙を溜めて文句を言ったが、彼はそんな私の反応を体を震わせて喜んでいる。彼のふっくらとした唇で身体中のあらゆる場所を蹂躙され、皮膚の至る場所に愛された刻印が記される。
 喉の奥が千切れそうなほど喘がされた挙句、ようやく解放されるかと思いきや、私の身体の最も柔らかくて濡れそぼるそこに舌先を沈め始めた。

 唾液を啜る音が部屋の空気を甘くする。耳朶に届くそれは、どうにかしがみついて残っていた理性的な感情をも破壊した。

「ずっと……こうしたかったんです」

 人を心から刺激する台詞は効果抜群である。あとワンヒットで私のHPはゼロになり、抗い続けていたはずの彼の手の内に落ちてしまう。
 顎先を唾液でテラテラと光らせ、恍惚とした表情を浮かべる彼と、視線が重なる。綺麗な顔が涎で塗れる様子がなんとも美しい。
 屈強な腕に支えられて開かれた脚が邪魔をして、彼の表情の全ては見えないが、おそらく彼は、彼の成すままにされている無様な私の肢体を眺めながら、天使のような恍惚の笑みを浮かべているはずだ。

「見ないで……」

 見てほしくないのに見てほしくて、嫌なのに、嫌じゃない。
 相反する感情が台風のようにぐるぐると渦を巻いて、私の心臓を乗っ取っている。

「好きです……。烈火さん」

 甘い言葉が奪われた心臓を締め付けた。

 いつの間にか彼が愛おしい人になっていた。
 絶対に、恋なんてしないって誓っていたのに……。
 ゲームのためなら、恋なんて捨てたはずだったのに……。

 どうしてこうなったのか。
 それは、さまざまな偶然がもたらした奇跡のような出来事のせい。
 そして、決して出逢ってはならないゲームの世界の住人とリアルの世界で出逢ってしまったからだ。