「ええ? そうなの?」
「ゲームを知らずに、よく選びましたね」
「それは――」
なんだか言い訳に彼女の名を出すことすらずるい気がする。
口篭っていると、気持ちを察してか、五百城が代わりに口を開いた。
「同居人が好きだから。ですよね」
「そう……、です……」と、肩をすくめる。
「……できました」
五百城は髪飾りを私の頭につけ終えると、スマホを掴んだ。「え?」と驚きスマホへと顔を向けると、ぱしゃっとカメラのライトが光る。
「撮れました。そっちに送ります」
「あ、ありがと」
早速、五百城からエアドロップされてスマホに送られた写真を眺めた。
衣装を身につけて、口を半開きにする私が写っている。
「すごい綺麗に撮れてる。ムギちゃんに会えたら、みせてあげよう!
あ、そうだ。デフォルトの衣装も着たら撮影してくれる?」
というと、五百城はゲホゲホとココアをむせ出した。
顔を真っ赤にさせて苦しげなので、背中をさすってやる。
「それはやめた方がいいと思います」と五百城に言われてデフォルトだというアサシンの衣装をスマホで検索する。
すると、布地面積の少ない衣装を身につけたキャラクターが表示された。これはほぼ裸体である。
「こ、これは……や、やめとく……」
とすぐさま諦めると、五百城は「でしょうね」と、目尻を下げて笑う。
淡々とした態度ではあるが、彼は、まあまあいい奴かもしれない。
「そろそろ帰ります。今日のログボもらってないんで」
「あ、私もだ」
玄関へと向かう五百城の背後を追いかけた。
「なんか、ご近所さんみたいだし。これからもよろしくね」
同じゲーム仲間ができると思うと、正直嬉しい。ゲームの中で遊んだり、たまにこうしてお茶するのもありだ。
「隣です」
「ゲームを知らずに、よく選びましたね」
「それは――」
なんだか言い訳に彼女の名を出すことすらずるい気がする。
口篭っていると、気持ちを察してか、五百城が代わりに口を開いた。
「同居人が好きだから。ですよね」
「そう……、です……」と、肩をすくめる。
「……できました」
五百城は髪飾りを私の頭につけ終えると、スマホを掴んだ。「え?」と驚きスマホへと顔を向けると、ぱしゃっとカメラのライトが光る。
「撮れました。そっちに送ります」
「あ、ありがと」
早速、五百城からエアドロップされてスマホに送られた写真を眺めた。
衣装を身につけて、口を半開きにする私が写っている。
「すごい綺麗に撮れてる。ムギちゃんに会えたら、みせてあげよう!
あ、そうだ。デフォルトの衣装も着たら撮影してくれる?」
というと、五百城はゲホゲホとココアをむせ出した。
顔を真っ赤にさせて苦しげなので、背中をさすってやる。
「それはやめた方がいいと思います」と五百城に言われてデフォルトだというアサシンの衣装をスマホで検索する。
すると、布地面積の少ない衣装を身につけたキャラクターが表示された。これはほぼ裸体である。
「こ、これは……や、やめとく……」
とすぐさま諦めると、五百城は「でしょうね」と、目尻を下げて笑う。
淡々とした態度ではあるが、彼は、まあまあいい奴かもしれない。
「そろそろ帰ります。今日のログボもらってないんで」
「あ、私もだ」
玄関へと向かう五百城の背後を追いかけた。
「なんか、ご近所さんみたいだし。これからもよろしくね」
同じゲーム仲間ができると思うと、正直嬉しい。ゲームの中で遊んだり、たまにこうしてお茶するのもありだ。
「隣です」
