隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

「え、知らない教えて!」

 子供のように五百城に正解をせがんだ。
 すると、黒縁の眼鏡を外して、私の顔を覗き込む。
 潤んだ瞳が私を見つめている。

「それはですね、スライムには寿命がないんです。つまり永遠に生きられるんですよ」

 確かに、スライムには寿命という概念がそもそもなかった。
 勇者が最強といえど、寿命という障壁には誰も勝てないのだから、その観点から言えば、スライムが最強となる。

 視点を変えれば、見えてくるものがあるものだ。
 それに気づかせてくれるのは、いつもムギくんだった。

 すぐそばで、でも遠い世界で、ずっと一緒にいた人だ。
 出逢えるはずがない人と、出逢えた。
 そして今、隣にいて、微笑みあっている。
 だからこそ尊い。
 五百城は、そっとわたしの手に黒猫のキーホルダーを握らせた。そこには鍵が一本ついている。

「燕さん。これからはリアルでも同居人になってもらえますか?」

 その問いに応えるように、私たちはそっと唇を重ねた。



(fin)