「源さんから聞いた話ですが、娘さんを幸せにしてくれそうな男性に出会ったから、強引に見合いを進めたそうだとか。思うに僕、燕さんのお父さんは、峯岸さんが好きなんじゃなくって、燕さんのことが大好きなんじゃないんですかね。
だから、一生懸命、燕さんのために、峯岸さんとの関係を築こうとしたんだと思うんです」
「でも、父は、すごく私にはそっけなくて」
「男なんてそういうもんです。好きって想いを誰かにひけらかすよりも胸の奥に秘めておきたいものなので」
五百城の言葉通りなら、私は大きな勘違いをしていた。
ずっと峯岸のことが好きであろう父の気持ちを壊したくなかった。
父のためにしていたことが、本当は父のためじゃなかったのなら、私は今まで何を足掻いていたのだろう。
「燕さんのことが好きじゃなかったら、きっとこのゲームのレベル50を超えられるはずないと思いますよ」
と、五百城は笑う。父の想いに気づいて胸がジンと熱くなる。が、すぐに自分のした失態に気づいた。
「てことは先ほどの私の発言は……父も聞いてたってこと?」
「僕、燕さんのお見合いの席に呼ばれちゃいますかね?」と、冗談めいて五百城は言うが、それには首を振る。
「ムギくんが、スライムの見合いに呼ばれることはないと思うよ」
それは父が五百城を気にいることがないというわけではない。
そして私も、父の溺愛した男と見合いをすることは、もうない。
だって、あなたの大事な娘には、大好きな彼がいるのだから。
「そういえば、燕さん、スライムって実は最強なんですよ。どうして最強なのか知ってます?」
