「なんかそれ、二股かけられてたみたいなニュアンスですね」
「あ……そっか。ごめん」
五百城の言う通りである。
もし私が逆の立場なら、偽物の関係であっても、別の女子が五百城の恋人のふりをしているだけでも嫌な気分になる。
今まで、五百城はどんな気持ちで私と峯岸との関係を見ていたのだろうと想うと胸が痛かった。
「ムギくんのこと大好きだよ」と、声をかけるとようやくムギくんは、視線をこちらへと向けた。
「ゲームの中も、リアルでも、ずっと一緒にいられるように頑張るから、だからずーっと一緒にいようね」
そう告げると、五百城の目が大きく見開かれた。
バチっと静電気が発するような大きな音がスピーカーから漏れ出ると、ゲームのBGMも人のざわめきも消えた。
夜の冷たい風と時折通る車の走行音だけが耳へと届く。
「実は最近、チャットよりも、ボイスつけてプレイするスタイルの方が、高ランキングに入ることに気づいて、ボイチャデビューしたんです」
と、なんとも申し訳なさそうに五百城がボソボソっと喋り出した。
「……言いづらいんですが、今、イヤフォン充電切れで、だからデバイスをスピーカーモードにしてボイチャつけてて、多分……、今の発言、ペテルギウスにいるみんなが聞いたかと思います」
