隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

 顔を知らない相手なのに、馬鹿みたいに親切にしちゃって、
 損をしてでも、人のことばかり考えて動くとこ、ずっと変わらないんです。
 だから、あなたのことも助けちゃってるんでしょうけど。
 あの人は、自分から手を離せない人なんです。だからあなたから手を離してください」

 そう彼は言いのこして、私の部屋を出ていったんです。

 だいぶ言葉に語弊がある。貢いだ相手は、”ムギくん”ではなく”ムギちゃん”にだ。
 同居の理由も、五百城が思うほど純粋じゃない。でも、そう思われていたことを知って、ちょっとこそばゆさを感じる。

「彼は君のことが大事なんですね」

 峯岸の五百城への感想を聞いて、さらに顔が赤らんだ。

「だから燕さんは、今日の食事会で、私と橋本会長を仲良くしようと計画してくれたんですよね」

「わかってたんですね」

「まあ、短い関係ですが、あなたのことは多少はわかるようになってきました。
 これからは、自分の力で、橋本会長との関係を築いていきます。
 どんなに遠回りをしても、きっと信頼を勝ち取ってみせます。あなたに助けられなくても大丈夫。
 ですから、
 これからは燕さん自身が幸せになるために、自分の時間を使ってください。
 私たちの潮時は、今ですよ」