隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました


「ちょっと……、いいですか?」

 あのまま無視を続けても良かったのにわざわざ声をかけてきたのだ、仕方なしに、鵲に付き合いブースから離れた場所へと向かった。商談スペースのような場所には私たち以外は居らず、声も周囲に流れる音楽のおかげで遮断されそうである。
 これならプライベートな話をしても誰かに聞かれる恐れはない。

「あの男の人って、おねーさんの彼氏ですか?」と、鵲は人がいないにも関わらず、配慮をしたのか顔を寄せて尋ねてきた。

「……それより、ゲームのブロック外してくれないかな」

 同じように、近い位置で鵲の質問に応える。

「私、勝手にレクチャーされる人、嫌いなんで」

「あ……ごめん」

「てゆうか、3人でプレイとか無理です。だって、私、フラれたんで」

鵲の話に目を丸くする。五百城の全てを知っているわけじゃない。でもそれぐらいは教えてくれてもいいのではとも思った。

「ムギくん、おねーさんのことが好きだから無理って言われました。
だからゲームの中だけでも一緒にいたかったのに、あのクソゲー、課金しないとマジで強くなれないし、プレイ中落ちるし、めっちゃラグいし最悪」

と、ゲームの文句を羅列する。鵲が起きている現象について心当たりがある。