「えー。烈火って、マジでランカーの烈火だよね?」と、戸惑いを帯びた声で尋ねられた。

 先月、討伐ランキングでランクインできた。それは同居人のムギのポーションのバフ効果のおかげと言っても過言ではない。

「いつも先陣切って誰より先に瀕死になる烈火です」

 するとブハッとキングが噴き出した。

「まじか! 本物じゃん! てか、なんだよ。もっと歳いってると思ってたわ」 

 と、大笑いをする。

「失礼ですよ。じゃあ、成人した子供が2人もいる、私はなんなんですか?」

 とキングの隣に座っていた、ツノのように長い魔女の帽子を被った女性が頬を膨らませる。

「ごめん、ごめんてー」と笑いながら魔女の女性を宥めだした。スッと、魔女の帽子を被った女性がこちらへと優雅に振り向いた。

「烈火さんでしたね。クイーンです。初めまして」と柔らかい口調で挨拶をされた。聞き慣れた声だったが、V Cのヘッドフォン越しではなく、生声を聞くのは初めてだ。

 上品な喋り方をする女性だとは思っていたが、本物のクイーンはそれ以上に品のある大人の女性だった。しかも成人した子供が2人いるとは思えないほどに、若々しい。
「クイーンは、本当にクイーンなんですね」と、素直な気持ちを告げると、
「ふふっ。烈火さんって面白い女性ね」と、優雅に微笑んだ。