隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

 店に入り、橋本会長を待った。
 予定時刻になり、秘書の男性を携えて、橋本会長が席につく。

 そして、食事会(クエスト)がスタートした。

 ワインリストに目を通している橋本会長の隙を見て、斜め後方の席に視線を向けた。
 そこには源さんとオクラ大臣が座っている。
 食事も終盤なのか、ワインを大分飲んだのか、二人の顔にも紅が刺している。

 再び視線を戻すと、私の隣に座る峯岸と視線がかち合った。
 このクエストの中身について、峯岸には話していない。
 峯岸が素で対応するからこそ、嘘が真実に見えるのだ。

 峯岸の誠実さを、胡散臭く見せてはいけない。
 この先の橋本会長との関係を構築するためにも、峯岸の最高にいい部分をお見せしなくては。

 ワインが会長のグラスに注がれる。ワインティスティングをしようと口先をワイングラスに近づけた刹那、酒に酔ったふりをした源さんが近づき、橋本会長の肩口にぶつかる。

「ああ、すみません」と言いながらもさらに橋本会長の身体にアタックした。ワイングラスから飛び出した赤ワインが橋本会長のシャツを汚した。さらにテーブルのグラスを指先で押して倒すと、橋本会長のシャツもスーツもびしょ濡れになってしまった。