隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

 すかさず訂正を加えた。
 すでにオクラ大臣と源さんは五百城から耳にタコができるほど、五百城と私が付き合っていることを聞かされている。そのせいか五百城の幾度めかの訂正にも「あーはいはい」と、若干面倒くさそうな態度であしらわれていた。

「じゃあ俺らは、先に店でスタンバイしておくわ」

 と、オクラ大臣と源さんは、仕掛けをする店で落ち合うことの約束を交わして席を立った。

「源さんたちに嫌な役を頼んじゃったけど、引き受けてくれてよかった」

「案外楽しんでそうですよ」

 と、五百城がオクラ大臣たちの様子を見て感想を述べたが、私もちょっと思った。
 こういう仕掛けをゲームの中ではなくリアルでする経験はできないものだ。
 それが体験できるなんて、楽しまずにいられるものか。

「燕さんも、ウキウキしてません?」

「そ、そんなこと……あったり?」

 うん、見透かされるほど、ちょっとだけ、ウキウキしている。
 スッと五百城の指先が伸びて私の手を握る。温かいその手に包まれていると、自然に頬が綻んでしまう。

「リアルでの初めてのクエストですね」

 そう言う五百城の口元が意地悪そうに歪んだ。そんな表情をする彼は、いたずら好きな子供のようなのに、どこか艶めいて見える。
 そのアンバランスな表情にドキッと心臓が跳ねた。