隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました



私は、なんてバカなんだろう。なんであんなこと言っちゃったんだろう。
今になって気づく。
彼はただのゲームの同居人じゃない。
私にとって……彼は……。


「烈火さん……?」

廊下を歩いてくる五百城に気づいた。いつものように黒のパーカーを着て、訳わからないぐらい大きな黒縁のメガネをかけている。
そのメガネの奥から、大きな瞳がさらに大きく見開かれていた。

「な……、んで?」

と呟いた私を、同じぐらい不思議そうな表情を浮かべている。

「足、裸足ですけど……どうしたんですか?」

と、五百城に指摘されて、はたと気づいた。この寒空の中、裸足で硬いコンクリートの廊下の上にいた。ほんの数分前の私の慌てっぷりをどう誤魔化そうか。

「あ、あっれえ? 靴、履いたはずなのになあ?」

下手くそな言い訳である。

すると五百城ははあと、迷惑そうなため息を吐いた。
ああ、これ以上ここにいたら泣いちゃいそうだ。