隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

「”お話”が済んだんでしたら、もう返してもらっていいですよね? 偽装恋人さん」と、私の前に立ちはだかった。五百城のウニはまだ健在である。


「そうだね。今日は帰るとしよう。
 燕さん、今度は”私の部屋”で会いましょう」

 なぜか五百城と見つめあったまま峯岸は言葉を放った。そのままお互いが睨み合う。一体、二人ともなんなのだ?

 峯岸を玄関先で見送った後、リビングテーブルに出したままの料理を片付けなくてはと部屋に小走りに戻る。すると五百城がすでにお皿を片付けてくれていた。さすがムギちゃん。気が利く!

 本来なら三日分のデート写真を撮影するはずだったが、今日のは1日分である。次の峯岸邸で挽回すればいいか。シンクに置かれた皿を五百城が洗う横で、余った料理をタッパーに入れ直す。「少し持っていく?」と尋ねると、五百城がふるふると首を振った。

「晩御飯のメニューはあの人のリクエストですか」と尋ねられたので、「そうだよ」と正直に答える。「どうりで派手なメニューだと思いました」とチクリとトゲを伸ばした。
 
「烈火さんが作った料理を一口も食べずに帰るとか、なんなんですかね。まあ、烈火さんの料理、あんな男に食べさせる必要ないですけどね」
 
「い、忙しい人だからねえ」と峯岸のフォローを入れる。

「新しい恋人でも作ったんですか?
 利用価値のある女性だといいですね」

 これは……、
 早いことマリン姫の件を解決しないと、
 本当のウニになっちゃいそうだ。

「ムギくん……。あの人のこと苦手?」