隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

 
 五百城の熱い吐息が耳に触れて、胸が高鳴る。彼の体温に包まれたせいか思考が鈍くなってしまう。

「……烈火さんとプレイしたいです!
 もうやだ!
 あのアザラシのせいで、装備ボロッボロなんですよ!」

 五百城が珍しく文句を言った。しかもマリン姫を、”アザラシ”と言い切るなど、よほどのことである。

「オクラさんには、お世話になってたんで、同居人さんを無視するのも良くないかなと思って、誘われたらクエスト付き合うようにしてたんです。

 ダンジョンでの立ち回りが慣れてなくてもいいんです。何回キルされても、敵を一体も倒せなくても、僕が倒せばいいだけなんで我慢できるんですけど……」

 と、言い出しづらいのか、言葉をきる。

「あの人、無装備でダンジョン潜ってきたり、僕が戦っている間も、サポートしないで棒立ちにしてたり、キルされたら、リスポーン地から戻ってこないし、プレイ中にオフラインになったとか誤魔化してくるけど、そんな頻繁に落ちるはずないし。ゲームで一緒にプレイしてるのに協力する気がゼロなの、ほんと許せなくて……!」

 五百城は、冷えた黒豆茶を飲み干して力強くテーブルに置いた。
 ちょっとちょっと、コップがキルされそうですよー。