隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました


「私の感覚としては燕さんの家が先でしょうか」


 ほう。それじゃあ勇者は、聖女の家に訪問するものなのか。
 
「じゃあ、次回は、うちで。峯岸さんが料理のリクエストをしてる体がいいかなと思うんですが、食べたいものとかあります?」

 というと、先ほどよりいささか顔色が良くなった。「では、ベストなプランを熟考してもいいですか」と、峯岸は目を下げていつものように笑った。


 マンションの前に着くと、もう夜が近いのか遠くの空がほのかに薄桃色へと変わっていた。
 荷物を持ってくれていた峯岸から鞄を受け取り、「では」と短く挨拶をする。

「燕さん、本当にこのまま私と付き合ってくれていいんですか?」

 思った以上に峯岸は心配性らしい。その言葉に、「はい」と頷く。

「峯岸さんのこと、大好きなんですよ。父が」というと、峯岸は「へ?」と、間の抜けたような表情を浮かべる。

「だから父に悲しい顔されたくなくて。私、自分が思っていた以上にファザコンみたいです」と言うと、峯岸が目尻を下げてハハっと笑った。

「私も好きです。あなたのお父さん」と峯岸に返されて、「じゃあ両思いですね」と返す。