つまりは手作り弁当はデートの撮影用である。
公園デートに見せかけた義務的なランチタイム。一つ目のお弁当は、母の視点を意識して、おにぎりの具にはベニシャケ、鶏そぼろ、筍ご飯、おかずも筑前煮と卵焼き、唐揚げの定番メニュー。そしてもう一つのお弁当には、レバーパテの挟まれたバゲットサンドに、父の好物の蓮根の鶏肉の挟み揚げと、海老グラタンもトッピングする。もちろん親映えを意識したメニューである。
峯岸さんとのデートは、親を安心させるためだけのものでしかない。私たちは偽の恋人なのだから。
まずは第一のお弁当の写真を載せる。母に送ったメッセージを峯岸にも見せた。
次は別日に送る写真の撮影である。私は帽子とストールの小道具を取り入れ、峯岸は黒のウインドブレーカーを脱いで、淡いブルーのシャツ姿になる。お弁当をカメラの画角の中心に添え、シャッターを押す。
峯岸が「あとこういうのは?」と私を引き寄せておでことおでこをコツンとぶつけた。
