よしっと腕まくりをして、LIMEの既読無視していた峯岸のメッセージに返信をする。
「今度の週末、よければランチでもしませんか」
メッセージはすぐに既読がつき、「ぜひランチさせてください」とスタンプではなく、仰々しいメッセージが返ってきた。
***
予定時刻の10分前には指定した公園に峯岸は来ていた。私を見つけるなり満面の笑みを浮かべて駆け寄ってきた。
まるで「待て」をされたまま放置されていた大型犬のようである。
「お待ちください。今日お会いしたのには、理由があります」
そしてさらにマテをさせる。私から1メートルほど離れた位置で、立ち止まった峯岸は困惑した表情を浮かべている。
「今までと同じように交際を続けようと思って峯岸さんを誘ったわけじゃないですから。その……、今、峯岸さんと別れたら、橋本会長にあんなふうに言ってしまった父が困るので。だから、付き合っているふりだけでもいいので、関係を続けられたらと思うのですが」
