「よし!!!」と気合を入れて勢いよく立ち上がる。
シャワーを浴びて、身体のシルエットが出る綺麗目なワンピースに着替えて、メイクもしっかりめに、そして髪も丁寧に巻いた。
いつになく気合いを入れた自分の顔を眺めると、まあまあ見える顔にはなった。地味子だから寝取られるのも当然よねって、聖女に笑われるような幸薄女子には見えないはず。
これで聖女と鉢合わせしても戦えるレベルにはなった。
もう一回、よしっと気合いを入れ、部屋を出る。
ちょうど帰宅時間だったのか五百城とエレベーター前でバッタリと出会ってしまった。
「烈火……さん?」
五百城の戸惑いを帯びた声が戻る。
メイクちょっと濃すぎただろうか。
空惚けて「ムギくんこんばんはー」と軽く挨拶をしてエレベーターに乗り込む。
すると五百城が降りたエレベーターに再度乗り込んだ。
「どこ行くんですか? 退院したばっかですよね」と、過保護な保護者モードで話しかけてきた。
「ちょっと、その……忘れ物を取りに?」
告げると眉間に皺を寄せて、じいっと私の顔を見つめてきた。
「忘れ物……?」
