隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

 五百城の視線よりも前に、五百城が構えたスマホのカメラのレンズに写り込んだ自分の顔と対面した。
 ああ、やっぱり似合わない。

 「こういうのは昔っから似合わないんだよね」と早々に取ろうとした手を五百城はぐっと掴んだ。真剣な眼差しが突き刺さる。

「どうして似合わないっていうんですか。
 僕は似合うって思ってます。可愛いと思います」

「あ、ありがとう」
 
 五百城の真剣な様子に気圧されてしまい、身体の奥が熱くなるのがわかる。
 きっと私の顔は真っ赤だろう。

 パッとカチューシャを外して袋に無造作に押し込んだ。不満げな顔をする五百城を無視して、ワイヤレスイヤフォンやらを五百城のリュックにぽいぽいとしまう。


「そろそろ帰らないと」

 リュックを五百城の胸に押し付けて帰れと即する。
 五百城はそんな理不尽な態度に不満を抱いたのか、頬を膨らませる。

「僕、付き添い申請しましたし。てか烈火さん夜中1人でトイレ行けます?」
 
 五百城は過保護な親なのかな。

 再び追い出そうとすると、五百城は両手を大きく開いた。

「じゃあ、ログアウトするんで、ハグモの承認ボタン押してください」

「リアルでもハグするの?」

 五百城を口を半開きにしたまま見上げた。すると五百城が、子供のように、うんと元気よく頷く。仕方がない。本日の功労者だ。ノってやるか。