隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

 感無量の喜びをひしひしと味わっていると、五百城がはいと紙袋を差し出した。「クリスマスプレゼント交換のやつです」と彼がいう。

 周りを見ると病室には五百城と二人きりだった。私が用意したプレゼントは、旅館の冷蔵庫の中のパプリカが入ったケースと一緒に冷えているはず。

「ごめん、プレゼントは……忘れちゃって」

「いいです。烈火さんがいるだけで十分なんで。
 それと……」

 五百城は袋をトントンと叩く。
 これは、早く開けて欲しいってことらしい。


 開けると、どこかのテーマパークにでも売っていそうな、黒い獣耳がついたカチューシャだった。耳の形的に猫――だろうか。流石にこの歳でケモミミをつけるのは恥ずかしさしかないので、「ありがとう」と感謝だけ伝えて袋にしまおうと摘み上げた。

「僕からのプレゼント。つけてくれますか」

「いやあの、こういうのはムギちゃ……
 鵲さんみたいな可愛いこが似合うと思うし」

「つけて欲しいです」

「病室だし、病院の病衣だし、せめてメイクしてる時とかに」

「つけてください」

 五百城は一歩も引き下がろうとしない。
 ……なんの罰ゲームだ。
 まあ、五百城と2人きりだし、命を助けてくれたのだから、これぐらいの要求は飲んでもいいだろう。

 ……今日、黒歴史が追加されるのか。

 髪を手櫛で直しつつ、カチューシャを差し込む。
 耳が自然に出ているように馴染ませてから、五百城へと振り返った。