隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

 ここは腹を括り、イベントが発生したと思って楽しもう。
 うん、クリスマスイブだし、すごくいいアイテムが手に入る可能性があるかも。
 
 旅館へと到着するなり、旅館の案内人らしきNPC――ではなく、旅館の女将が笑顔で出迎えてくれた。優雅な足取りで、どうぞどうぞと、旅館の廊下を進み部屋へと案内される。
 
 そして、部屋の中で、またもや1人きりになる。

 内湯がついた部屋は、全体的にモダンな檜作りで、奥の部屋には大きなベッドが一つ置かれている。ベッドとルーフバルコニーを隔てる障子を開ければ、内湯から湯が溢れている様子が眺められる。

 窓の外から見えるのは積雪で白く染まる山々という絶景。クリスマス当日に予約を取れたとしても、こんないい部屋が空いているはずはない。

 ということは。
 勇者峯岸何某。何か企みがある……?
 勇者よ、滅びの道へと進むつもりですか?

 いつまでも既読がつかないのでイベントを楽しむことに頭へとスイッチする。せっかく来たのだ。温泉を堪能しよう。
 クリスマスパーティ用に準備した惣菜の入りジップロックを紙袋ごと備え付けの冷蔵庫に入れる。
 母には定期連絡として部屋の内風呂を自慢がてらに送っておいた。