隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました

 五百城が好きなパプリカの甘酢漬けと、ピーマンの肉詰めを差し入れにと準備したけれど、これは見栄え的にも庶民臭が漂いすぎている。
 どこかのデパ地下で、高級デリを見繕ったほうが良さそうである。
 
 峯岸と解散した後に寄れそうなお持ち帰りできるデリのお店を検索しつつ地下鉄に乗り込んだ。       
 いつものように峯岸が事前に予約してあるレストランで落ち合う。

 峯岸は決まって先にいる――はずだが、今日に限って私が先だった。
 何かトラブルでもあったのだろうか。
 まさか聖女にスライムと会っていることがバレたとか。
 だったら一大事。
 
 勇者大丈夫か? 心配しつつLIMEを開く。

 すると「すみませんトラブルがあって、伺えそうにありません」
 という峯岸からのメッセージが表示された。

「ではレストラン側のキャンセル対応は、お任せください」

 いささか棘のある言い方になってしまったが、まあドタキャンしたのは峯岸なのでHP少し減らすぐらい耐えて欲しい。

「本当に申し訳ない。
でも、今日、お話ししたいことがあって、
 よければ少しだけでも会えませんか」

「別日ではだめでしょうか」

「今日がいいんです」

 ――おかしい。普段なら別日にと、引き下がるはず。
 峯岸にとって、私という存在は、父のご機嫌取りの道具でしかないのに、クリスマスイブに何を話したいのだろう。