「別に……ムギくんのこと好きじゃないから!
でも、同じゼミの仲間だし、これからも仲良くしてあげてもいいんだからね!」
鵲は素晴らしきツンデレぶりを発揮して、帰路へと向かっていった。きっと三日もすれば、ぶり返してまた「五百城くーん!」と、暴走するんだろうけども。
明日はどんなムギちゃ……、いや鵲さんと五百城のいちゃぶりが見れるのだろうか。有給あと何日残ってたかな?
マンションの最寄駅に電車がたどり着くなり「鵲さんを焚きつけたんですか?」と五百城は若干棘のある言い方をした。
「乙女の恋心を放っては置けなかったのだよ」
「ただ理由にかこつけてアバターに似てる鵲さんを眺めたいだけですよね」
「あ、わかっちゃった?」
「わかりますよ。だってムギ大好きな烈火さんですから」
そう、ここで縁が切れたらもうリアルムギちゃんを拝めなくなってしまう。
それは困る。
なので、彼女にはどうにか恋の土俵に上がってきていただき是非とも、五百城を一本釣りしてもらえたらと願っている。
「ゆくゆくは、双子とか産んでくれないかな。
男女だと最高なんだけど」
「どんな想像してんですか」
流石の五百城も呆れ顔である。でもわかってほしい。ムギちゃんの可愛さは世界一なのだ。誰しもが自分の欲望には抗えない。
「はあ、鵲さんには興味ないって言ったの聞いてましたか?」と五百城が深いため息を吐きつつ地下鉄のゲートへとスマホを当てる。自分も同じくゲートを潜り抜けた。
地上へと上る階段を一段一段進むと、徐々に冬の寒さが肌をひりつかせてくる。そろそろ手袋を用意しないといけない時期になってきたなあ、なんて季節の移り変わりを味わいつつ、コートのポケットに両手を突っ込んだ。
「でもさ、付き合う付き合わないは別として、いい子じゃない?
可愛いしさ、理想の彼女そっくりの子がすぐそばにいるんだよ。
付き合わないなんて勿体無いでしょ。可愛いし」
「……鵲さんは”ムギ”ではないので」
おっしゃる通りである。でもね、アバターとは子孫を作れないのだよ。ここはリアルの似てる彼女で手を打とう!……というのはダメ大人の考え方ですか?
黙り込んだ五百城に、どうしたの?と尋ねると静かに視線を向けていた。何かいいたげに潤むその瞳の奥で何かがちらりと光った気がする。それは知ってはならない五百城の本心のように思えた。視線に耐えきれずに顔を逸らしてしまった。みてはいけないものを見てしまった気がした。そのせいだろうか、どうしてか五百城の視線をこれ以上は受け止められなかった。
「烈火さん……」と五百城が私を呼んだ。タイミングを合わせたかのように、ブルっとスマホがポケットの中で振動する。
でも、同じゼミの仲間だし、これからも仲良くしてあげてもいいんだからね!」
鵲は素晴らしきツンデレぶりを発揮して、帰路へと向かっていった。きっと三日もすれば、ぶり返してまた「五百城くーん!」と、暴走するんだろうけども。
明日はどんなムギちゃ……、いや鵲さんと五百城のいちゃぶりが見れるのだろうか。有給あと何日残ってたかな?
マンションの最寄駅に電車がたどり着くなり「鵲さんを焚きつけたんですか?」と五百城は若干棘のある言い方をした。
「乙女の恋心を放っては置けなかったのだよ」
「ただ理由にかこつけてアバターに似てる鵲さんを眺めたいだけですよね」
「あ、わかっちゃった?」
「わかりますよ。だってムギ大好きな烈火さんですから」
そう、ここで縁が切れたらもうリアルムギちゃんを拝めなくなってしまう。
それは困る。
なので、彼女にはどうにか恋の土俵に上がってきていただき是非とも、五百城を一本釣りしてもらえたらと願っている。
「ゆくゆくは、双子とか産んでくれないかな。
男女だと最高なんだけど」
「どんな想像してんですか」
流石の五百城も呆れ顔である。でもわかってほしい。ムギちゃんの可愛さは世界一なのだ。誰しもが自分の欲望には抗えない。
「はあ、鵲さんには興味ないって言ったの聞いてましたか?」と五百城が深いため息を吐きつつ地下鉄のゲートへとスマホを当てる。自分も同じくゲートを潜り抜けた。
地上へと上る階段を一段一段進むと、徐々に冬の寒さが肌をひりつかせてくる。そろそろ手袋を用意しないといけない時期になってきたなあ、なんて季節の移り変わりを味わいつつ、コートのポケットに両手を突っ込んだ。
「でもさ、付き合う付き合わないは別として、いい子じゃない?
可愛いしさ、理想の彼女そっくりの子がすぐそばにいるんだよ。
付き合わないなんて勿体無いでしょ。可愛いし」
「……鵲さんは”ムギ”ではないので」
おっしゃる通りである。でもね、アバターとは子孫を作れないのだよ。ここはリアルの似てる彼女で手を打とう!……というのはダメ大人の考え方ですか?
黙り込んだ五百城に、どうしたの?と尋ねると静かに視線を向けていた。何かいいたげに潤むその瞳の奥で何かがちらりと光った気がする。それは知ってはならない五百城の本心のように思えた。視線に耐えきれずに顔を逸らしてしまった。みてはいけないものを見てしまった気がした。そのせいだろうか、どうしてか五百城の視線をこれ以上は受け止められなかった。
「烈火さん……」と五百城が私を呼んだ。タイミングを合わせたかのように、ブルっとスマホがポケットの中で振動する。
