あれ以来、私たちは一言も話していなくて私は今までのようなごく平凡な世間一般のレールの上を歩いて生活している。夏帆とも今まで通りの会話ができていて、みんなに言いふらされることもなく安心安全の生活ができている。でもそんなある日彼に屋上に呼び出された。
「俺、本気で起業する。今まで必死にバイトして貯めてきた金で今サンプル作ってもらってる。俺のデザインで俺の好きを形にできるかもしれない。まだ儲からないかもしれないけど、好きを表に出せて俺は今めちゃくちゃ楽しくてめちゃくちゃ幸せ。お前はいつまで変わんねぇんだよ、いつまでくっそつまんねぇ世間体とか周りの目とか気にしてんだよ。いつまで古い自分でいるんだよ。」
「あぁ本当に樹くんはすごいなぁ」そんな思いと同時にすごくすごく腹が立った。起業をして好きを味方につけて将来に繋げようとしている樹くんといつまでも同じ場所で足踏みを続けている自分の差、変わることの出来ない自分。そんな自分へのイラつきと、私の気持ちを知りもしないで好き勝手言ってくる樹くんへのイラつき。
「私だって、私だって変わりたいよ!」
「じゃあ変われ!自分で変わろうとしろよ、自分で今の自分変えろよ!」
そんなの難しすぎる。今の私にとって自分で自分を変えるなんてできっこない。だって私は臆病者だから。私はそんな自分がだいっきらいだから。
「好きなこと隠して何も残んねぇだろ、だったら俺と一緒に起業しろ」
「やってみたいなぁ」そんな思いとは裏腹に私の口から出たのは
「私なんかにできないよ、私と樹くんは違うんだよ」
なんて可愛げのない言葉だった。
「あっそ。勝手にしろ。」
私は自分を変えるチャンスを逃したんだ。憧れのスラックスはいて、メンズ物のボトムス履いて街中を歩く。そんな些細な夢を叶えるチャンスを逃したんだ。自分の本心を出せない臆病で皮肉屋の性格を拗らせたせいで、自分の夢を自分で潰したんだ。
「俺、本気で起業する。今まで必死にバイトして貯めてきた金で今サンプル作ってもらってる。俺のデザインで俺の好きを形にできるかもしれない。まだ儲からないかもしれないけど、好きを表に出せて俺は今めちゃくちゃ楽しくてめちゃくちゃ幸せ。お前はいつまで変わんねぇんだよ、いつまでくっそつまんねぇ世間体とか周りの目とか気にしてんだよ。いつまで古い自分でいるんだよ。」
「あぁ本当に樹くんはすごいなぁ」そんな思いと同時にすごくすごく腹が立った。起業をして好きを味方につけて将来に繋げようとしている樹くんといつまでも同じ場所で足踏みを続けている自分の差、変わることの出来ない自分。そんな自分へのイラつきと、私の気持ちを知りもしないで好き勝手言ってくる樹くんへのイラつき。
「私だって、私だって変わりたいよ!」
「じゃあ変われ!自分で変わろうとしろよ、自分で今の自分変えろよ!」
そんなの難しすぎる。今の私にとって自分で自分を変えるなんてできっこない。だって私は臆病者だから。私はそんな自分がだいっきらいだから。
「好きなこと隠して何も残んねぇだろ、だったら俺と一緒に起業しろ」
「やってみたいなぁ」そんな思いとは裏腹に私の口から出たのは
「私なんかにできないよ、私と樹くんは違うんだよ」
なんて可愛げのない言葉だった。
「あっそ。勝手にしろ。」
私は自分を変えるチャンスを逃したんだ。憧れのスラックスはいて、メンズ物のボトムス履いて街中を歩く。そんな些細な夢を叶えるチャンスを逃したんだ。自分の本心を出せない臆病で皮肉屋の性格を拗らせたせいで、自分の夢を自分で潰したんだ。
