高校生2年生の新学期。
どんなクラスになるかわくわくした気持ちもあるが、それより憂鬱な気分が勝ってしまう。
「もう制服小さいんだけどぉ」
とクラスの女子が嘆く。
「それな、買い替えなきゃ…」
そんな会話で盛り上がる教室。実際私の制服も小さくなってきている。買い替えなければならない。クラスの女子は全員スカートだ。学年にもスラックスは数人しかいない。私自身もスカートを履いていて、身につけているものはピンクのものばかりだ。クラスの「女の子」として生きている私にスラックスなんて手の届くものではない。だからこそ新学期でみんな慣れていなくて話題のない時の服の話はわたしにとってすごく憂鬱だ。そんなことを考えていると
「ねぇ佳恋、スカート折ったんだけどさバレないかな?」
と仲のいい安城夏帆が話しかけてくる。
「バレないんじゃない?そんなに生徒指導も見てないよ」
と返すと安心したように「そうだよね、ありがとう」そう言った後に
「佳恋も折っちゃえば?折った方が可愛くない?」
と言ってくれる。夏帆が良かれと思って言ってくれているのは分かっている。いわゆる「陽キャ」グループにいる割に私は地味な見た目をしている。スカートを折っていないのも私だけだ。でも私が本当に着たい制服はスカートなんかじゃい。スラックスだ。私が本当に身につけたいのはピンクのものじゃない。もっともっと落ち着いた黒とか紺とかのものだ。スカートを折るのも心底やりたくない。到底そんなことを言える訳もなく
「最近太っちゃって足太いから私はいいかな、ありがとう」
と答える。どこまでも優しい夏帆は「えぇ〜?太くないと思うけどな、でも全然いいと思う、今のままでもめちゃくちゃ可愛いから!」って言ってくれる。
彼氏はいないけど友達はある程度いて、成績も平均より上にいる。家庭環境だって申し分ない。優しいお父さんとお母さんに恵まれた。自分で言うのもなんだが私はそんな世間体が考える「キラキラJK」だと思う。でも私の心は全然輝いていない。だって、好きなものを好きって言えない生活だから。身につけたいものを身につけられない生活だから。
どんなクラスになるかわくわくした気持ちもあるが、それより憂鬱な気分が勝ってしまう。
「もう制服小さいんだけどぉ」
とクラスの女子が嘆く。
「それな、買い替えなきゃ…」
そんな会話で盛り上がる教室。実際私の制服も小さくなってきている。買い替えなければならない。クラスの女子は全員スカートだ。学年にもスラックスは数人しかいない。私自身もスカートを履いていて、身につけているものはピンクのものばかりだ。クラスの「女の子」として生きている私にスラックスなんて手の届くものではない。だからこそ新学期でみんな慣れていなくて話題のない時の服の話はわたしにとってすごく憂鬱だ。そんなことを考えていると
「ねぇ佳恋、スカート折ったんだけどさバレないかな?」
と仲のいい安城夏帆が話しかけてくる。
「バレないんじゃない?そんなに生徒指導も見てないよ」
と返すと安心したように「そうだよね、ありがとう」そう言った後に
「佳恋も折っちゃえば?折った方が可愛くない?」
と言ってくれる。夏帆が良かれと思って言ってくれているのは分かっている。いわゆる「陽キャ」グループにいる割に私は地味な見た目をしている。スカートを折っていないのも私だけだ。でも私が本当に着たい制服はスカートなんかじゃい。スラックスだ。私が本当に身につけたいのはピンクのものじゃない。もっともっと落ち着いた黒とか紺とかのものだ。スカートを折るのも心底やりたくない。到底そんなことを言える訳もなく
「最近太っちゃって足太いから私はいいかな、ありがとう」
と答える。どこまでも優しい夏帆は「えぇ〜?太くないと思うけどな、でも全然いいと思う、今のままでもめちゃくちゃ可愛いから!」って言ってくれる。
彼氏はいないけど友達はある程度いて、成績も平均より上にいる。家庭環境だって申し分ない。優しいお父さんとお母さんに恵まれた。自分で言うのもなんだが私はそんな世間体が考える「キラキラJK」だと思う。でも私の心は全然輝いていない。だって、好きなものを好きって言えない生活だから。身につけたいものを身につけられない生活だから。
